漢字とともに

杜甫李白

忘れられた世界で

 

漢字だけが残り

アジアの片隅で生きている

 

文字が絵で

一つで意味を持つ

 

エネルギーを詰め込んだ

複雑で秩序ある表象

 

太く

長く

思考を縛り

 

絞りに絞って

練り上げた

デフォルメの結晶

 

暑くても

熱くても

 

文字一つで

気持ちが分かる伝達模様

 

こいつに気持ちを任せたら

空を飛べるかと

夢見たことがあった

 

だが

何十年経っても

乗りこなせない

 

死ぬまで使いこなせないと

薄々気づいて

 

多くの人は

新しい道具に乗り換え始めた

 

それでも

私は図像より

今の語で

 

ポンコツであろうとも

ズブズブに

沈んでいこうと決めている