貧者エール

媚を売って

お前がお前でなくなるような

喪失に苛まれても

 

お前は

何者にもなれやしない

 

作り笑いも

へりくだりも

 

地べたに額をこすりつけ

這いずり回っても

 

何も変わらない

 

もしお前が

己を捨てられる自分が

立派だなんて思っていたら

 

そんなことは

全然ない

 

卑下する必要もなければ

自信を持つ意味もない

 

蟻が

働いて

死ぬだけだ

 

お前はお前であって

大きな群れの中の一個

 

死のうが生きようが

大したことなどない

 

だが

お前の中のお前は

己をかけがいのない宝物だと思っている

 

当たり前だ

 

どうやって磨こうか

どうやって輝かせようか

 

それだけを考えて

四苦八苦していればいいのだ

 

どうせ

周りは有象無象

 

お前が思われているように

お前も思っていたらいい

 

輝いて

光ってしまったら

 

あとはどうでもいい