己の領分

食べる物があり

暮らしが整って

はじめて患う病と

 

暮らしが整わないために

患う病

 

生活が充実すればするほど

 

病んだ心は

現実から離れ

 

苦しみは

快楽と紙一重に近づく

 

人は暇では居られない

 

暇であるために

苦痛に陥り

 

暇を潰すために

苦しみの渦中に飛び込む

 

意味が欲しくて

意義を求めて

 

心の快楽は肥大し

 

己の領分を越え

他者に

社会に

影響を及ぼそうと目論む

 

それが善意だろうと

社会貢献だろうと

 

実態は

利己にまみれた

自己承認欲求の塊であり

 

美しくもなんともない

 

それは美学ではなく

世の中を回すための道具である