悪の批評

スタイルを求めて

言葉を連ね

 

言うことが

人の悪口ばかりでは

 

何一つ

魅力を持たない

 

美しい批判は

その先に

 

未来を見て

現実を変える意志を内在し

 

言葉で

世界の素晴らしさを示さなければ

 

力を持たない

 

許せない何かがあり

断固として

否定したいなら

 

それが否定された世界は

今よりも

魅力的でなければならない

 

悪い魂に

取り憑かれ

 

引きずり下ろすための

批評であるならば

 

それが示す

文体が痛快で

 

読んでいる一時だけは

憂き世を

しのいでいられるものでなければ

ならない