生を飢える

検査を前の

絶食にあり

 

空腹が

波のように襲ってくる

 

飢餓

 

くるおしいような

気が遠くなるような

 

腹部にくすぶる

物足りなさと不快

 

しかし

いつまで我慢しても

 

絶望には至らないのだ

 

飢えているだけ

生への渇望が増してゆく

 

日常の悩みは吹き飛び

ただ

ただ

 

空腹を解消したいという

欲求だけが

 

頭を満たしている

 

体は辛くても

精神は淀んでいない

 

余計な悩みなく

楽ですらあって

 

この渇望を

抱えていれば

 

すこし

生きやすくなるのではないか

とも思う