世界は変わった

世界など

どこにもないだろう

 

寝て

起きて

飯を食い

遊び

過ごす場所

 

それを世界と言うのなら

 

毎日

人の死や

痛ましい知らせが

電波から流れてくるのは

 

別の世界の出来事に違いない

 

身体の届く範囲と

その外はつながるのか

 

五感は

居ない場所にも届くのか

 

知恵や知識

科学や技術で

 

たくさんの人が住み

喜怒哀楽が飽和していると

伝わってくる

 

それに呑まれ

まるで自分の居場所がない

 

だが

わたしはここに居る

 

ここに居て

見ている

 

どうしようもない風景に

戸惑い

立ちすくんでいた若さを

 

今はもう

笑って許すどころか

 

はるか遠い

他人事として思う他ない

 

世界を広げるために

人生を費した頃は終わり

 

今は

己の世界のために

残りの時を使うのみ