墓参

目の前の

石柱に何の意味があろうか

 

蝉しぐれの灼熱に

汗を垂らし

 

石に水をかけ

香を炊き

手を合わせる

 

故人の来し方

我の行く末

 

石は石なり

 

刻みつけた墓碑もまた

ただの文様でしかなく

 

死してなお

存在を信じたいという

願望をこめた

 

儀式が

簡素化され

 

今に至り

空を見ている