侘しき日暮れ酒

約束をすっぽかされた日暮れ時

公園のベンチに座り一人酒

 

しんしんと寒さと孤独が身に沁みて

暗くなりこわばる世界が狭くなる

 

回る酔い

つき放たれ解き放たれた

気持ちよさ

 

かわいそうな自分に酔えば

卑屈もまた酒の肴

 

被害者ぶっているだけで

自分の殻に閉じこもり

 

酒を友とし

夕日を眺む

 

孤独の味はしみじみと

終わる絆を噛み締めて

 

楽しき日々を思い出し

酔えば酔うほど

身は凍え

 

暗闇みつめ

酒も尽き

 

一人佇む

冬の月

 

こんな日にも

慣れてしまった

哀しさよ

 

酔うても

忘れられぬことが

多くなりすぎた

 

それでもまた

ベンチから

立ち上がり

 

寒風に吹かれ

家路につく

 

いつだって

そうだ

 

帰りたくなくて

いくら酔ったって

 

最後には

帰るんだ