2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

出かけます

出かけます 外へ しばらく

緊急事態宣言の夜

昼の暖かさも 夜になれば 冷え冷えとして 肌寒い風が吹く 暗い夜道に 冷たい風 酒の空き缶が 転がってゆく カラカラ コロコロと 遠くまで響き いつまでも 鳴っている その寒々とした音が ひと気のない 街をめぐり 精気や嬌声は 鳴りを潜め いつまでも 風と共…

時はかけがえのない

命のかけがえのなさ それは 当人にとって 命を失えば 全てが無くなるということ 当人にとって 何物とも交換不能な 唯一絶対のものであるということ 他者には関係ない 自然も人も 他の生命を 簡単に蹂躙する 己に対しては 出来ない仕打ちを いとも簡単に 誰か…

地獄の蓋は再び開く

非常時がやってきた 灯火管制と 禁酒法が 同時にやってきた 店は閉まり 人々は締め出され 法は投げ捨てられ 権利は踏みにじられる この国の首都を 封じ込めることに どんな科学的合理性があるのだ 恐怖と不安は 政治の道具であり 人々を抑えつけ 排他攻撃を…

狂気の沙汰

首を絞められて 体も心も 悲鳴を上げている どこにも行けない 恐怖を煽り 見えないのを良いことに 人々を 不安に陥れる 人は死ぬ いつだって死んでいる 恐ろしい病など 星の数ほどあった それでも 人の心を 社会を 今まで 苦渋の歴史に積み上げてきた 人々の…

何も出来ぬ

力及ばぬ その事ばかり考える 力及ばぬ 何も出来ぬ したいのに ただやればいいのに やる前から 力及ばぬと考えて やらない どうして たぶん 好きじゃないから やりたければ やるでしょう 漫画も読むし 旅行も行くし 温泉にも入る やる前から 出来ないかもし…

貧者エール

媚を売って お前がお前でなくなるような 喪失に苛まれても お前は 何者にもなれやしない 作り笑いも へりくだりも 地べたに額をこすりつけ 這いずり回っても 何も変わらない もしお前が 己を捨てられる自分が 立派だなんて思っていたら そんなことは 全然な…

馬よ届け

大将 まだ間に合う 帰る前に 馬が見たいと言った ジャングルのようなビル 重機を運ぶエレベーターを下り 階段をめぐり ビルからビルへ 飛び回り 馬を探した 大将は 強制送還 もう戻れない 馬は転がっていた 大将のもとへ送り出し 最後の姿を 遠目に佇む 足が…

ダメになっても

勉強もしない 努力もしない 語彙は減り 表現は単純で平板 どんどん馬鹿になって くだらない生活を送っている 駄目になった とことん駄目になった そんな怠惰に生きていても 毎日書けば 言葉はまとわりついてくる 難しい言葉を使えなくなった反面 地についた…

欲望の肯定を

どんなに間違ったって 人を進めるのは 欲望だけだ 欲望だけが 人を前に向かせ 未来を見せ 夢を描かせる それが 道徳や倫理に反したって どんなにドス黒くたって 欲望がなければ 何もはじまらない 美しくても 美しくなくても 初期衝動という名の 欲望に火が点…

退廃の味

退廃を知り 限界の自分に酔い 堕ちる快楽を知ったのは いつからだろう 成功と上昇と 広がる世界しか見えなかった時が 子どもに思え 枠の中で 身の程を知りすぎて 己に失望し それでも生きる味が 酔って 自分を誤魔化すことでしかないことに 終着した 失望し…

信じられなくなって

たらたらと 生きて 納得もあり 後悔もある 当たり前のこと 書くには 足らない人生かと 手を見つめ 問いかける きれいなものもあった きたないものも みにくいものも 抱えたくなかった 人の美しさも 清らかさも 信じられなかった 信じたかったのに 最後は 自…

穏やかな島

あの角 あの影 あのほとりに 死が佇んでいた 至るところ 波の向こうにも わたしたちを包み 寄り添っているのだった それは 恐怖でも 忌避でもなく 生と隣合わせの 自然の摂理 おだやかで ゆるぎない 安心を携えている 街に 墓に 木々の間に間に 歌は流れて …

出かけます

一週間少し出かけます。

旅へ

今ほど 旅が待ち遠しかったことはない 抑圧の毎日 鬱屈の日々 外出も 遊興も憚られ 日常を送ることが 我慢の連続であった 抑圧は 解放へ連ならねばならぬ もう出る 世間など知ったことか 己の精神を維持するには 緊張の間に 弛緩が必要なのだ 世間のために …

忍耐の不毛

同じことをされても 相手や 文脈によって ハラスメントになったり ならなかったりして 被害者になりたい時もあれば なりたくない時もあり どっちを採るかは された側次第 その曖昧さと 主観による判断が 疑念のもとになり ハラスメントは続いてゆく こわくて…

進まないこと

進まないこと 立ち止まること 留まること 維持すること 後ろに引かないこと 停滞の中 鬱屈を抱えても そこに居ること ただ留まり 耐えて 居続けるだけで それは勝利に等しい 生きて 食べて 守って つないでいる

今日もつまらない正義を目にした

川端康成が自殺した時 深沢七郎は喜んで 赤飯を炊いたと言った 今では言えないだろう 誹謗中傷を糾弾する正しさは分かっても それだけなら 魅力はない 悪と戦うばかりで 悪を探してばかりで 悪を滅ぼせば 世の中が良くなるなんて 嘘っぱち つまらない正義の…

不幸の前兆

いつもの道が 工事で遠回り 何百円かの余計な出費 突然用事を頼まれ 予定が狂う 面倒事でも 大したことはなかった ただ 小さな 小さな アクシデントが続くとき それは 大きな不幸への 呼び水になりかねない 不幸は 不幸を呼び 悪いときには 悪いことが重なる…