2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

出かけます

一週間ちょっと出かけます

解体と構築

溜まった澱を 吐き出す 歪んだ生活を 壊す 壊して 再び立て直して 元に戻ったようにして 過去とは 少しだけ違っている その違いが 良いように なるように 考え 祈って 壊す

村の付き合い

都会は世知辛いって 言われて 暮らしてみたら 田舎が面倒なだけだった あれもこれも 何かにつけて 掃除やら 祭事やら 行事のたびに 駆り出され 断れない どこで 何をしているかも 筒抜け 旅行をすれば たちどころに知られ お土産を 買わないわけにはいかない…

過眠

信じられないほど 眠れた日の 世界の見え方はどうだ 我を疑う 体の蘇生力よ やるべきこともやらず やりたいこともできず 代わりに もう眠れないほどに 眠った 世界が変わる 感覚が変わる 日常が 再び息を吹き返して 戻る場所になる 眠りの力よ どんな栄養よ…

悪の批評

スタイルを求めて 言葉を連ね 言うことが 人の悪口ばかりでは 何一つ 魅力を持たない 美しい批判は その先に 未来を見て 現実を変える意志を内在し 言葉で 世界の素晴らしさを示さなければ 力を持たない 許せない何かがあり 断固として 否定したいなら それ…

無事

中身より 形式が大事 整った作法で 過去を踏襲していれば なんの問題もない 形式を壊すなど もってのほか 淡々と 同じ形 同じリズム 同じ様式で すすめたい そうすれば 何も考えなくて済む 何も悩まずに済む 何も起こさず 何も変えず 迷惑もかけず 而して 存…

飽和

満ちるところを 過ぎて 足りるをはるかに 超えていく あふれ こぼれ もう何も入らない 物理的な 精神への作用 壊れるまで 入れ続けたツケ 入れ過ぎたものは 戻らない

もうすぐ

突き詰めた時間を じりじり進め たどり着く 終着地 感慨もなければ 達成感もない ただ何もしなくて良い それだけだ 島の突端の岬に行って だだっぴろい海と 吹きすさぶ風と 海鳥の鳴き声と糞に さしたる感興も催さず ただ行った それだけで 納得する そんな…

過給器

やる気を出して 突き進み 徹夜 そして 徹夜 気が張って 頭がギンギン その果て どうしようもない 無気力に襲われた 動けない 考えられない あれほど漲っていた 精神の高まりは 下降を続け ついには 海抜さえ下回った 沈み込み 溺れそうになり 息もできず 動…

順調禍

順調であることは 思い通りであること プランに沿った 時間をコントロールし 我が道の 我がルートで踏みしめること 順調であるだけ 満足は重なり 順調であるだけ 影で不安もふくらむ このまま 思い通りで良いのか 困難が見えれば 対策も立てられように 分か…

継続

おそろしく単純なことでさえ 何十年も続けて 身に付くものがある 反復は 理解を超え 消化は 昇華となり 身体にこびりつく技能 まとわりつき 体は特化し変形し 癖がつき 応用を失い 腐敗なのか 発酵なのか 熟成が進む それでも続けることで 対象は内化し 離れ…

人が消える

なんという恐ろしいこと 人が消える 昨日まで 同じく仕事をしていたのに 今日は いない 何があったか 分からないまま 存在がなくなって 職場は 何も変わらずに 回っている 誰も言わない 詮索しない 同じ挨拶 同じ笑顔 自分には関係ないと 開き直っているのか…

朝湯

小鳥鳴く 暁の空に 湯気が立ち 舞い上がり 巻き込み 包まれ 湯の香と 薄明かりの中 所を失い 意識まどろむ 湯の坂道は 深々と冷え 明かり弱く いよいよ 湯のあたたかみへ 心高まる 曇天の下 湿った湯気と 冷え切った心身 今日のことなど 未だ 思い至らず

技芸と情熱

透過する言葉 オリジナルという幻想 未熟な実感を 己だけのものと大事に抱え 子供の文で 世に出して 自分だけの言葉と宣うか 空虚な虚飾で 難解な単語を繰り出し 一行で書ける本音で 一冊の本を出し 修辞の美学に酔いしれるのか どちらも 同じく愚かで 同じ…

紙の中の狩り

紙 紙 紙 舞い上がり 擦れ 折れ曲がる 山のように 積まれた紙 埋もれ 息詰まらせながら 記号を描き 文字を読み インクの模様を 頭に流し込む 紙 紙 紙 人から人へ 文字を送り 頭を詰まらせ 心を動かし 人生を変える 毎日 毎日 紙の中に居て 言葉の山野で 狩…

言の葉

言の葉に 乗せた音 風に漂い ふわふわと 誰かの 耳に届き 脳に届き 心に届いた 言の葉は 人を変え 新しい言葉を紡ぎ 再び風に乗って 世界に広がっていく 風が吹いた 今日の夕暮れは 木の葉舞い 空気が澄む 遠く映る 山の果てまでも 言の葉よ 流れ流れよ

深夜の鳴き声

闇夜に 猫の叫ぶ声が響く 寒く 暗く 人のいない夜に 聞こえてくる 猫の鳴き声は 悲痛で 寂しさの混じった 哀愁の音色である 誰もいない世界を 嘆くように 猫は歌い その鳴き声には 何も返らない ただ声だけが 何度も 何度も 闇夜に 響いている

不安の夜

夜の中で 一人 死が恐ろしく 生きるのが怖くなった 闇にまみれた恐怖に 恐れおののき 夜が明けるのを ひたすら 待っていた 己を覆う 不安の時よ はやく過ぎ去れと

文章

苦しんでいる文章 戯れている文章 嬉しそうな文章 悩ましい文章 その内容とは 違った顔の文章のかたち 不器用で 舌足らずで 過剰で 上手く操れない そんな隙間を 誤解され 曲解され 攻撃されて 臆病になり 無口になっていると たちまち 厚顔な輩が伸してくる…

ふんわりとした酒

酒が旨く 肴が旨く 気持ちがいい だが 取り立てて贅沢をするわけでなく 特別な物を 食べているわけでもない いつもと同じ 酒と肴と店 何百回か通って 不思議と しっくり馴染む時 何も思わず 旨いとも言わず 淡々と 食べ飲むだけ 心のうちは 快楽に襲われてい…

虫を殺す

枕元の ゴキブリを一匹 殺して 安眠した 生態系も 環境も 保全すべきと宣いながら 目の前の 虫を殺して 心から安堵した この街には 虫らしい虫もいなければ 鳥も獣もなし 朝方にカラスが鳴くばかり 野良猫は次々と去勢され もうほとんど見かけない ヒトの都…

燃え尽きるために

燃え尽きたことなんかない 燃え尽きたくても 燃え尽きる術も 熱意も根気もない 幼稚な衝動だけが燻り 憧れと 安易な燃焼願望は 目的の喪失とともに 瓦解し 裏腹な 激しい自己滅却へと 突き動かし 破滅願望と 破壊願望 全てを巻き込んだ 燃焼へと彼を駆り立て…

寝る男を殺せ

この隣の男を殺してくれ 隣の 横に寝て いびきを掻いている男を 口を開け よだれを垂らして 轟音を発しながら 寝ている男に 罪などあろうはずもない なれば 殺してくれ 世界が無慈悲で 不条理である印として この男を殺してくれ 見ず知らずの 赤の他人 有象…

ダメになった日

避けられ 蔑まれ 嫌われると 不意に 人生を放り出したくなる これまで積み上げてきた 信頼も実績も 人間関係も どうでもいい ただひたすら 感情の捌け口を探し ぶっつけ 壊し メチャクチャに してしまいたい 私など どうなってもいい 価値もなければ 意味も…

入れ札の日が明けて

4年に一度の 選挙であった 久しぶりの 選挙であった 投票用紙の 肌触りが新鮮で 名前を書く 指が滑った 夜が明けて 世は変わらず 何人か落ちて 何人か入る 淡々と 過ぎてゆく時節 こんなものを 求めていたわけではないけれど こんなものでしかないだろうと …

許しの日

生きてきた よく 生きてきた 年を経るにつれ ぽつり ぽつりと 旅立っていく あれもこれも 過ぎ去った 憧れていた偉人より はるかに歳を取り 気づけば 山を越えていた 生きてきた よく 生きてきた あれも出来ない これも出来ない 不満に駆られながら 未来だけ…