朝湯

小鳥鳴く

暁の空に

 

湯気が立ち

舞い上がり

 

巻き込み

包まれ

 

湯の香と

薄明かりの中

 

所を失い

意識まどろむ

 

湯の坂道は

深々と冷え

 

明かり弱く

 

いよいよ

湯のあたたかみへ

 

心高まる

 

曇天の下

湿った湯気と

冷え切った心身

 

今日のことなど

未だ

思い至らず