2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

怠惰と疲労と失望

怠惰と疲労と失望 生の足に手をかけ 停滞に引きずり込む 立ち止まり 留まり 再び歩き出す気を 挫く このねっとりした 耐え難い気怠さ 堕ちていく 緩慢の絶望 真綿で首を絞められながら 目指していた頂は 遥かに遠のいていく 地べたに座り込み 空を見上げなが…

わがままで

疲れたって ああ疲れたよ 不条理だって ああ不条理だよ 納得できないって ああ納得できないよ うまくいかないことばかりだよ それでも 上手くいくこともある その中で我慢しろって いや我慢できないよ わがままで 自分だけを考えて 周りに誰もいない 誰もい…

詩情が飛ぶ時

書きたくない 書くのが面倒 自分の中が空っぽ 外にも関心が持てない 現実が安定し 変化のない生活に 安堵している時 詩心は停滞する このままでいい 変化など要らない ならば Passionなど 湧くはずがない それは幸せという名の怠惰 安定という停滞である こ…

努力

努力が報われるなんて いつから 信じなくなっただろう 複雑怪奇な この世界 何がどうなるか 分かるものではない 己を正当化するため 自己肯定の道具として 努力を用いる詐術に 子供の頃から 支配されてきた そんなもの 気休めにしかならぬ 努力が好きなら 努…

暗雲五輪

平和の祭典が 不安の温床になっている皮肉 コロナ禍で 自粛が押し付けられながら 五輪だけ 開放的にしようとする矛盾 これから 五輪に向かって 感染者が大爆発したら どんな五輪になるのだろうか 政治家の狼狽や その場限りの取り繕い どんな感情が表に出て…

なだらかな丘

視界のかなたまで 緑の曲線 ゆるやかに上り 長く続く いつまでも 坂を歩く 大して疲れもせず 飽きてもいない 一歩また一歩 確実に進む だが進めば進むだけ それなりに疲れ 坂のなだらかさに慣れれば 退屈もある このままでは つまらないと 予感する ならば …

繁忙

忙しくて どこかの知事も休むって 本当に体悪いのか なんて良いタイミングで休むのか 選挙応援もしなくていいし 五輪のゴタゴタにも関わらなくていい 声が出なくて うるさいことも言わなくなったし 秋の選挙だって控えているんだろう 他人の病気を悪く言うな…

下手くそ

五輪の会場で 酒を出すと言った翌日 やっぱり酒は出さないと言う 五輪のために我慢して 五輪の中で好き放題なら 文句の一つも言いたくなるが 五輪で酒を抑えて やっぱり市中でも抑えるのも 納得できない 一ヶ月後には ワクチンを打った人が増え 感染者はいて…

同窓会

今日の酒場は 同窓会 集えなかった酔いどれ共が 我先に 暖簾をくぐる 元気だったか ワクチン打ったか 近況報告と 安堵の一杯 これが日常だったかと 忘れかけていた日々に戻っても 違和感は拭えない 明日になり 明後日になり 取り戻していく 日々は変わり 人…

運気の悪さ

悪い時には 悪いことが重なる 小さなつまづき ちょっとした面白くないこと そんな予兆に気づかず 無防備でいれば ろくでもない目に遭いかねない ちょっとだけ料金をボラれたり セールスの電話に睡眠を邪魔されたり 重い荷物で腰に電気が走ったり 目の前で商…

ガス抜き辞

一日四合の米と味噌を 質素だと思っていた頃 はるかに貧しかった 今は四合どころか 一合だって食べられはしない だが ずっと豊かだ 物が手元にあるから 豊かなのではなく 欲したものを 手に入れられるから 豊かだと思える 手に入るのが 当たり前だと思うから…

傷の経過

間違えて 己の失敗が忘れられず いつまでも 覚えている それが辛くて 苦しくて 忘れるために 愚行に及び さらなる悪夢を 呼び込んで 泥沼に 嵌っていく 時が経てば 苦しみは薄れ 徐々に 日常は回復するのに それを 待っていられない 時が経って なお忘れられ…

あの時の森

時の流れのはやさ いつもは気づかない 子供の頃 遊んでいた森に 帰ると ヒョロヒョロの杉が 大木になっていた 森は深く 日差しは薄く 根本に生えるシダ 降り重なった枯れ葉は フカフカで 人の気配など 微塵もないのだった あの時 ここで遊んだ それは現実と…

梅雨の軒先

汗だくで草を刈った 突然の雨 縁側に座り 樋から落ちる 雨粒を眺める 雨は全てを囲み 何も見えず 空は灰色 ただ雨音だけ 草いきれ 雨の匂い 立ち昇る土の香 新緑の山の初々しさが 体に染み渡り 言葉も文化も 忘れられた

球追い

何も考えず ひたむきに 白球を追う姿が たまらなく 神々しく 見える時がある 日差しの中 球しか見ていない その眼差しが やけに尊く 手が届かない崇高さに満ち 有難くなる そんな時がある

山の向こう

山を越えた景色が どれほど 味気なかろうが 越えなければ 幻想は いつまでも続く 幻想に 悩まされ 憧れ 現実を失っても なお たどり着きたいと願い 幻想は ますます美化され 畏怖の対象となり 渇望と羨望 対象への距離を 毎日測っては 己の小ささに 幻滅して…

酒の後

痺れる肢体を抱え 鈍痛の頭を動かしながら 今日も陽は昇る やってしまった昨日 記憶もおぼろげに ムカムカする胃の腑が 酒量を教える 立ち上がれないと思っても いづれ立ち上がる 治らないと思っても 夕方には酒を呷っているだろう この痛切なダルさ 不快感 …

山の上の廃墟

伽藍には 誰も居ない 月明かりが 回廊に影を長く落とす 山の上の廃墟 栄華極めし過去を 今は誰も振り返らない ここに 欲望が花咲き 権謀が乱れ飛び 多くの死が訪れた 力と欲 憎しみと嫉妬 上昇志向の 人々が集まるエネルギーが弾け 文化となり 栄華となり 戦…

夢に囚われる人よ

いくつになっても 夢を語り 夢を肴に飲み 夢に溺れる いつか見た夢を 後生大事に抱え 近づくでもなく 諦めるでもない 心の神棚に飾り 触れることなく 仰ぎ見るのみ 酒を飲んでは愛で 落ち込んでは頼る 実現しないからこそ 寄りかかれる夢 死ぬまで彼を苦しめ…

ガス抜きはやめよう

もうやめよう そろそろ 適当にごまかして ガス抜きをするのは 真剣になれないからって 敗残者だからって Passionの熱を冷まし 衝動をやり過ごす 体に満ちてくるルサンチマンを 抜くために 酒を飲んだり 堕に臥したり つまらないエネルギーを使って やらない…

言葉の使い途

言葉を 現状の追認 自己正当化の道具にしてしまったら それは 衣服や鞄と変わらない 着飾って気取って いい気分になるだけ 言葉を 暴力の装置 革命の道具にしたら それは 銃や包丁や刀と同じ武器 人を責め 人を脅し 人を殺す 言葉を精神が用いるのではなく …

酒の間に

旨いから飲む 楽しいから飲む そんな酒が 飲めればいい だが酒は まずくても きつくても 吐いて 吐いて 体を壊しても なお 飲む つらいから飲む 苦しいから飲む 逃げるために飲む 踏みとどまるために飲む 酔う間は 言葉がなくなってもいい 痺れて 何もなくて…

走る間

どこまでも 走ってゆく 果ての見えぬ 地平線の彼方へ 走る 走り 振りほどく 体に付いた 有象無象を かなぐり捨て 何も考えないように 考えなくて良いように どこまでも いつまでも 終わるまで 走り続け 疲れ 立ち止まり 何もかもに たかられ 埋もれてしまう…

心なんぞ

心なんてあるのか この茫漠とした 掴みどころのない世界で 何をしても良いはずの 何も出来ない世界で 命一つ渡され 自由だ 好きにしろって ふわふわしてきただけ それに幸せだの 不幸せだの 色を付けて 苦しいだの 辛いだの 嬉しいだの 楽しいだの 本当に そ…

余生

刹那的な快楽に 身を浸し それだけしか してこなかった コツコツと積み上げて 世間の評価や 社会的な地位を 得てこなかった 積み上げても 虚しかったろう 今でも 虚しい 良いものを書くとか エゴ以外に生きることなんて できるのか このままでは虚しい だが …

死は転がっている

現実を見れば見るほどに 茶番劇が想起される ここではないどこかで 人が死ぬ 災害が起こる どこだろうが それはいつだって 選ばれた事件 世界のどこにでも 語られない不幸は転がっている それを差し置いて テレビの不幸に共感せよと 求められても しらけるだ…

心の羅針盤

いつか 思い描いた 夢が 実現すると 心のどこかで 思わないではなかった 理想とは 言わないまでも 少しだけ 夢の一つでも 手の内に 入るかもしれないと 夢想していた だが そんな夢も 砕け散った今 人生の舵は壊れ ただ海原を 漂っているだけ 努力もなければ…

きれいごとばかりの

多様性なんか糞さ 多様性 多様性って 騒ぎ立てる奴らに限って いい子ぶって あれはダメだ これはいけない あれをしろ これを守れ そんなのばっかりじゃないか 対話が大事 多様性が大事って 言いながら 気に入らないと 民主主義が成熟していないとか 民主主義…

たった1ミリ

もう少し もう少し 届いていたら 何もかも 変わっていた はずだった 手に届く その間際まで 近づいたけれど ダメだった その1ミリが 今でも 忘れられなくて その1ミリを 呪いながら その1ミリに 支配されている

非合理の中で

ケチなプライドや どうしようもない拘泥 どう考えたって 得なんかない 死んだ人間が忘れらず 過去の失敗に囚われている いつまで立っても 前に進めず 目の前のチャンスすら 台無しにしてしまう それでも 馬鹿だと分かっていても 捨てられない 拘り続けるから…