傷の経過

間違えて

己の失敗が忘れられず

 

いつまでも

覚えている

 

それが辛くて

苦しくて

 

忘れるために

愚行に及び

 

さらなる悪夢を

呼び込んで

 

泥沼に

嵌っていく

 

時が経てば

苦しみは薄れ

 

徐々に

日常は回復するのに

 

それを

待っていられない

 

時が経って

なお忘れられない傷は

 

愚行によってではなく

 

綿密に

作り込んだ

作為的な浄化によってしか

 

越えられない

 

あるいは

負った傷を越える

 

大きな傷によってしか

矮小化できない