2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

コロナ騒動の前幕半ば

自粛とやらを解除すれば 感染が増えるのは自明 観光支援をしたなら 地方に感染が広がるのも自明 当たり前のことを 当たり前にやって ほぼ予想通りの結果が出たのに 数字が上がったと 驚くほど騒ぐ 緩めば増え 締めれば減る 片方で緩め 片方で締めれば どっち…

死んで赤飯

人の不幸を願うのは 悪徳とされているけれど 私の好きな人は 大嫌いな奴が死んだ日に 赤飯を炊いて喜んだ その喜び様が あまりに明るくおおらかで こっちまで 楽しくなってくるほどであった 嬉しそうに 愉快に 死んだ 死んだと叫んで はしゃいで 酒を飲んで …

思い通りの日

思った予定が 思い通りに 滞りなく 何の不自由もなく叶い 今日は 思い通りの一日でした 朝食の一口目から 穏やかな午睡 空いて快適な銭湯 相撲を見ながら 旨い魚で一杯 なんの悩みもなく 戸惑いも 不安も 不都合もなかった それはもう あるようで 滅多にない…

心がフラットな時

言葉を用いた 魂の叫びを書き連ねる それが詩 だが心は いつも咆哮の機が熟しているわけではない 哀しみの涙や 怒りに打ち震え 描き殴る修羅場もあれど 鏡の如き水面に 波風一つ立たぬ日もあり 平穏なうちに 過ごす時期には 悩みも涙も程遠い そんな時 心が…

自然の美しさ

大海の夕焼けも 湖畔の静けさも 絶景の渓流も 山頂の雲海も 鳥や獣は どう眺めているのだろう 毎日 浜辺に暮らしていれば 家の前に沈む夕陽を見て 感慨に耽ることもないだろう 同じ風景を いつも見て 何も思わなかった数千回目に 新たな感激を受けるかもしれ…

人権を守ろうとフルボッコする輩の醜悪さについて

思想は言葉で 人ではない 社会主義や優生思想を 叩くことに さしたる関心はないが 思想を弄び 社会で有利な立場を占めたいと考える輩 彼らの振舞いは 心熱く愚劣である 対立相手のミスを発見すると たちどころに集中砲火 自分が正しい立場に 立てると判断し…

怖さの先

秋祭りが中止になった 近所の親睦会も 英会話教室も 怖いのか 恐ろしいのか ならば 自宅に籠もり 外へ出なければいい なのに 片っ端から電話をかけ あれを止めろ これを止めろ この国では 話し合いが始まる前に 根回しで 全てが決まる 自分が怖いなら 自分で…

命の使い途

生まれてから ひたすら求められたのは 学校に行って 勉強して 上の学校に行って 勉強して 就職活動に仕事 つまるところ 世界は有意義で 意味があり 生産的だという 刷り込みにつぐ 刷り込みであった お前には世界が必要だ 世の中の役に立て そんなことを求め…

心優しき水辺のほとり

生暖かい風は止んだ 水辺には波も立たない 花筏の水面も 蜻蛉飛ぶ夏も 枯葉散る夕辺も 凍りつく冬も 過ぎ去った 今は 静寂の中 穏やかな孤独に 心休まる 振り返る日々は ときに懐かしく ときに劇的 繰り返し 過去を味わい 水面を見つめ 時を送る もう何もな…

言葉の断層

当たり前に言われること やりたいことをやれ 好きに生きればいい 年配の 優しさに満ちた 配慮の届いた言葉 どれほど冷酷だろうか やりたいことなんか出来ない 好きになんか生きられない 観たい映画も観られない 読みたい本も買えない そうやって 生きている…

かつお刺

初夏を過ぎ 初鰹も落ち着いた この時期のカツオは 薄く脂が乗って 食べれば まだ初鰹の名残りの 爽やかさ 血合いの香り 柔らかくなった歯ごたえ どれもが味わえ どれもが中途半端である それだけに 絶妙な均衡の一本に巡り会えば 幾らでも食べられるほどに …

生のかたち

飽和した世界に 留まり続けて 満ち足りた 日々の暮らしが これで良いのかと 己に問いかける 波風の立たない生 悩みも苦しみも 大いなる喜びもなく ただただ 味気ないばかり 不満のないことが不安で 山も谷もないことに 自問自答する このまま 終わって良いの…

停滞の雨に打たれて

雨が多い 熱さが遠い 家に籠もり 倦怠にまみれて 令和の厄災を 見つめている 動かない 動けない 何も出来ない 雨は降り続け 川は溢れ 街は水に沈む 見ているだけの やるせなさ 滞りの夏 無益に留まる時 人生は消費され 世界は崩れゆく 雨だけが 流れて 無情…

泣き濡れる女

夜明けの4時過ぎ 雨の中 若い女が 号泣していた 叫びとも 怒号ともつかない 甲高い声が 誰もいない 街に響いていた 壁に体をもたれかけ 頭を下げ 前に垂れた髪で 顔は見えなかった 雨が 彼女の 頭や肩に 弾けていた 弾けて 細かく割れて 彼女の周りだけ 雨が…

世界はどうなってしまうのか

コロナ一つで 飲み会も出来なければ 人とも会えない マスクをしなければ 外出できないし 横浜の中華街にも 上野の山にも上れない 感染するのも 悪だし 知らずに誰かに感染させるのは 犯罪に等しい 建物に入る度 除菌し続けて 手は荒れ放題 マスクのしすぎで …

老人の我がままを想って

社会や世の中に 不満を漏らし 怒りを発散させ 世直しの一派として 正義感ぶりつつ ストレスを発散する 健康法 目の前の人を 政治を名目に 罵倒し 知ったかぶりで 何もかもに 文句をつけ 醜悪なのに 正しいと思っている老人たちよ この世界を作った一派にして…

劣現実

風来坊に居場所はない 西から東 旅から旅へ そんな浮草稼業は 空想へ果てた 風は止まり シャボン玉も 赤い風船も飛ばない ただ踞り 引きこもって 海も山も知らず 世界は狭まり 行き場を失い 窮屈に押し込められた精神は ひたすらに異物を押しのけ 排除するだ…

田舎のコロナ禍

田舎町では コロナ狩りの真最中 川沿いの散歩道 はるか彼方を歩く老婆が マスクをしている 一人の感染者も許さない 潔癖な精神が 人間を白眼視し 疑念を煽り立てる 旅館やホテル 居酒屋にレストラン この騒動で いくつ潰れることだろう 死とは程遠い 感染を…

出かけます

一週間少し出かけます

座標のない所

心労極まり 疲れ果てた後 何もない時間が訪れた 山も谷もない 時が流れていることにさえ 気づかない 真っ白で のっぺりとした道 疲れも 興奮も どこかへ行き 己の状態も 何者であるかも 一切 分からない 座標のない 箱の中に入ってしまった 善悪も 好悪も 奪…

鳥よ

燦々ときらめく羽を 空に広げ 風に乗り 天高く舞い上がり 世界を睥睨する 高く高く 上るほど 地は小さく 而して 広大な世界へ 視野は開ける 飛ぶ鳥の 美しさよ 澄み渡った空に 一筋の線を引く お前が 高く遠くなるほど 世界は 広く大きく 膨らんでゆく 今日…

地獄スープ

煮立った湯船に ぶつ切りの肉体 血で濁ったスープから 腐臭が匂い立つ ここは地獄の一丁目 釜茹で地獄のど真ん中 いや 現実であった 目の前で 魔女が 人を煮込んでいる 次々と風呂に放り込まれる人々は ぐったりとして 悲鳴の一つも上げはしない 流れ作業で …

言葉よ流れろ

紡ぎ出す言葉よ 音のリズムよ 意味と作用に 縛られず その音を放てよ 声を上げ 抑揚をつけて 言葉は歌に 心に響く音になれ 脳裏の奥の奥 生まれる前に聞いた 母の子守歌のごとく 理由なんかいらない ただ胸の奥の 琴線を 強く強く弾く 涙を誘い 郷愁にひたる…