かつお刺

初夏を過ぎ

初鰹も落ち着いた

 

この時期のカツオは

薄く脂が乗って

 

食べれば

まだ初鰹の名残りの

爽やかさ

 

血合いの香り

柔らかくなった歯ごたえ

 

どれもが味わえ

どれもが中途半端である

 

それだけに

絶妙な均衡の一本に巡り会えば

 

幾らでも食べられるほどに

旨い

 

初々しい物足りなさはなく

脂の乗り切ったクドさもない

 

若者のゴリゴリした固さもなければ

血合いの香りが強すぎることもない

 

いつまでも

飽きずに食べられて

 

後腐れがなく

そこそこに納得する

 

旬の茗荷と合わせても

負けない

 

他の魚にない

肉のような食べごたえ

 

分厚い切り身に

かぶりつく醍醐味

 

いつまでも

カツオを食べたい