生のかたち

飽和した世界に

留まり続けて

 

満ち足りた

日々の暮らしが

 

これで良いのかと

己に問いかける

 

波風の立たない生

悩みも苦しみも

大いなる喜びもなく

 

ただただ

味気ないばかり

 

不満のないことが不安で

山も谷もないことに

自問自答する

 

このまま

終わって良いのか

 

動き出さなければ

何も変わらない

 

お前は

いつ踏み出すのか

 

人生は

残り少なくなってゆく

 

何もしないでも

良い人生かもしれない

 

苦しみ

のたうち回り

徒労の果てに

野垂れ死ぬかもしれない

 

でも

そんな考えは

やらないことの

言い訳に過ぎないかもしれない

 

と悪魔は囁く

 

挑戦することが立派で

何もしない奴が駄目だなんて

そんなことはない

 

愚行に振り回される人間は

迷惑で

邪魔で

而して魅力的だ

 

生命を輝かせたい思いはある

 

輝きは

怠惰や停滞の中にはない

 

それは分かっている

 

だけど逡巡が無駄だと

切り捨てられない

 

私は思う

悩む

 

そして

言葉の輝きに触れたいと

 

望んでいることに気づく