退屈を謳歌する

毎日毎日
世に事件は起こっても
日常に波風は立たず

ああ
今日もまた

何もせずに
終わってしまった

怒ることも
喜ぶこともなく

平穏無事に過ごし
死が近づいてくる

退屈で
物足りない生活は

失われて初めて
有難いと思える

普段から
無事でいられることに

感謝せよと
言われるが

なかなか出来ない

傲慢かもしれないが
豊かさにも平和にも
馴れてしまうのが
人間で

変化を求めて
危機に身を晒し

日常の安堵を
何度も確かめては

また危ない橋に
魅力を覚える

何事もない
代わり映えしない
今日が

いつか失われるのだと
覚悟だけして
ダラダラ過ごす