嘆きの機会

毎日のように通っていた
映画館が
茶店
本屋が
なくなってしまう

生活の一片が
失われた
空白に

ひゅうひゅうと
風が吹き込んでくるような
寒々しさ

穴があいた
喪失感

今まで味わってきた
憩いのひとときは
二度と戻らない
・・・

しかし
私は知っている

この虚ろな感情も

時が経てば

何かで埋められ
何事もなかったかのように
日常は回りだす

だからこそ

失った
なくなったものを
心から
悼む気持ちでいられるのは

今だけだ
今の気持ちが大切なのだ