空気のような自然のものの言葉

好きなものは空気です
好きな飲み物は水です

なんて
言わない

好きか嫌いではなく
わざわざ言うまでもなく

空気も水も
なければ生きられず

大切と言う以上に
必須なのだから

ありふれているが
ありふれていなければならないもの

言葉もまた
ありふれていて

無ければ生きていけないというわけではないが

沈黙を続けていると
精神が窒息する

酸素を取り込んで
体内に循環させ
吐き出すように

言葉もまた
取り込んだら
表出する

心の息吹きを
感じながら

吸って
吐いて

生物的な循環のうちに
言葉を取り込み

自然の営みのように
言葉を扱い

生きるために必須のものへと
言葉を位置づけ

大切なもの以上に
言葉に寄り添い

生きた証として
言葉を残す