2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

コロナ踊り

いよいよ コロナの患者が増えて これから まだまだ増えそうだ 人は必ず死ぬ 死は日常だ なのに 死が少しでも近づいたら 非日常として騒ぎ出し これまで経験しているはずの 多くの死は 見えないところへ追いやられ てんてこ舞いで 踊り狂っている インフルエ…

風呂屋の爺

小さな不快こそ 精神の健康を保つ秘訣である 嫌いな人間と同席したり 気に食わぬ人間と仕事する 少々の嫉妬ややっかみ ネガティブな感情を持ち 不快を局所に集めてしまえば 残りの全ては さして悩みなく過ごせる 私にとっては 毎日の銭湯で 浴槽の縁に居座り…

静止した夏

濃緑の山 空の青 白い雲湧く 風なく 蝉の声だけが響く 静止した夏 滴る汗を追って 目線を下げれば 影一つ このまま 変わらない 風景の記憶 ぽつんと佇む時に かぎりない虚無を思う

自分からの逃走

美容と健康を謳い 運動や食べ物に気を遣い そんな日々に耐えかねて ついつい 暴飲暴食する 健康へのコンプレックスと 暴食する堕落への自己卑下 どちらも原動力は 自己否定であり 変わりたい自分も 変われない自分も 現在の自分を 駄目と規定している点で 同…

血を抜く

青い血管に 針が刺されば 黒味がかった血液が 注射器へ逆流する 慎重に 而して力を込め シリンジを引き 血はスルスルと 抜かれゆく 抜き手の差配 血管に空気を入れたり 大量に血を抜いたり 間違いを起こせば ただちに 命は消える そんな不安を 頭の隅に置き…

死の支配

自らの命が 尽きる瞬間の夢 悪夢であり 恐怖であり 而して必ず訪れる 現実の先駆けである 避けられないが故に 想像も膨らみ 死は 私のクライマックスとして 私の精神を支配し 人生を凌駕する なるようにしかならぬと どれほど覚悟を決めようと 命尽きる事実…

駄文

駄文を読んで 怒りが湧いた 駄文を読んで 元気が出た お粗末な てにをはも綴れない 読んでも意味が通じない 一文の連続 難しい単語を並べ したり顔をしていても 文脈は あっちへ行ったり こっちへ行ったり 思いつきに 引きずられ 最後には 混濁に飲み込まれ…

五輪騒動

普段は 多様性を謳う者たちが 東京上空の 編隊飛行を腐したり 誰の話が長いとか 税金を垂れ流す 大規模イベントがくだらないとか 中身の話など無く はじめからダメだという先入観で 如何にダメなのかを 語り競っている リベラルが スクラムを組んで リベラル…

今の想像力

どんな鳥だって 想像力より高く飛ぶことはできない 寺山はかつて言った 想像に夢を見て 現実を超克する 精神の有り様を見出した こんな夢は どこに残っているだろう 便所の落書きが 白日の下に晒され 短文で拡散され 叩かれ いがみ合い 制裁される ネットの…

堕落の涙の気持ちよさ

自分の不甲斐なさを 時代や環境のせいにして 気持ちよかった 憤懣やる方なく 日頃の鬱屈を 他者のせいにして 己の不遇を嘆く気持ちよさよ 俺は不幸だ 俺は恵まれない 俺が俺を呪うほど 己に酔い 涙を流し 気持ちよくなれるのだ なんて簡単で 手軽なストレス…

嘆き

絶望と諦念の連鎖 刹那的快楽への逃避 いくらでも 繰り返してきた この地獄の輪廻から 抜け出すことが出来ず 同じところの 堂々巡り 車を回す ハムスターのごとく 分かっていても 他に何も出来ない 繰り返すしかないのか 谷間から 空の青を見上げ 抜け出せな…

政治の言葉

このところ 良いニュースが 良い知らせが つまり 良い言葉が 入ってこない 迷走五輪 ワクチンの混乱 この国の政治は どうなってしまったのか と思う一方で コロナの感染者数も 死者数も 欧米に比べて 格段に少ない 実際のところ よくやっているはずなのに 全…

汚情

憤り 睥睨 夢も 希望も 持たなくても 生のエネルギーは 満たされゆく 卑屈なコンプレックスよ 醜悪な被害妄想の権化よ おどろおどろしい心の姿を持ち 化け物に成り果てても 生きる強さよ 降りかかる 負の感情に苛まれ 己に失望しながらも 呪い 嫉妬に塗れて …

溶けゆく日々

成功か失敗か 満足か失望か そんな二分法は溶けた まず一方が無くなり もう一方に無関心となり 無気力な物体が 転がっているだけ 心などなく 未来などなく 過去はとうに終わり 今を泳げない 無いだけであり 而して灰色であり 言葉を失い 目的を失い 迷いこと…

熱い湯

口開けの銭湯に 男たちがなだれ込む 入墨 傷痕 湯気の中に 飛び込んでいく 色とりどりの皮膚 とびきり熱い湯と キンキンに冷えた水風呂 往復すれば 脳はとろけて 何も考えられない 商人の街 やくざの街 風呂の熱い街

噴煙の坂道

石畳の端から 吹き出す湯気 汽笛のごとき音 噴き上げる轟音 地獄の湯けむりの中を彷徨し 坂を登っていく 朽ちたストリップ小屋 地獄蒸しの竈 かつての面影は古び 工事の音とともに崩れゆく 誰もいない 雨の中 地獄の噴気をまとい 歩き出せば しっとり濡れた…

大工業地帯

曇天に霞む 鉄の砂漠 赤茶びたパイプから 噴煙が立ち昇る 迷路は 地の果てまで 倉庫も 工場も 並べるだけ 並べて 雨が振り 塩を吹き ハンマーと トロッコの音が 鳴り響く 人の姿なく ただくすんでいる金属が 労働と疲労を 示すのみ

叙事に還る

疲れ切り 何もなく 空っぽにうろたえていた時 スケッチに戻る 切り取れば それだけで 主観が入り わたくしが伝わる いまは それでいい

出かけます

一週間ほど出かけます

正直者

配慮や 気遣いの名を借りた 嘘つきの共演 自ら狡賢く振る舞いながら 利他と称する欺瞞 そんな狡猾さは 日常の至るところに潜んでいる 世のため 人のため 本当にそうか 自分のためを オブラートに包み 己が良いことをしているように 装って いくらでも 人を騙…

今年の梅雨

雨が降り続き 季節は終盤に近づく 暑い太陽を 隠す雲が去る間際 惜しげもなく 雨粒をばら撒いていく 湿気と閉塞 今年はなおのこと 暑くなれば また不安も増して ますます 逃げ出したくなっていく

広大な孤独

強い日差しに照らされて 果てなき道を 歩いている 家はなく 草木もなく 道と土と 太陽だけ 影だけが 付き添い 空の青も 土の赤も 一切が変わらず 無関心である この地上に一人 誰にも知られず 何も変わらない そうであることの 解放感と 悲しさと虚しさと 退…

ダメ漬け

弱者か 敗者の言い回しか 負け組が隅っこで 目立たぬように暮らすのを 指差して ああなりたくないって 勝ちも負けもない人生を 較べっこして 見下す言葉が 溢れ出して 金持ちからは 憐憫の情を 近くなればなるほど 侮蔑の劣情を孕んで 細かいところに 目をつ…