噴煙の坂道

石畳の端から

吹き出す湯気

 

汽笛のごとき音

噴き上げる轟音

 

地獄の湯けむりの中を彷徨し

坂を登っていく

 

朽ちたストリップ小屋

地獄蒸しの竈

 

かつての面影は古び

工事の音とともに崩れゆく

 

誰もいない

雨の中

 

地獄の噴気をまとい

歩き出せば

 

しっとり濡れた髪にまで

湯の香が移りゆく