2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

留守にします

4~5日出かけます。 春は忙しい。

北国の春

桜が咲き 菜の花が咲き 蛙が鳴き 燕が飛ぶ ふきのとうが伸び 竹の子が頭を出す 全てが一緒にやってくる 長い冬を越えた北国の春は 短いだけ鮮やかだ 初夏を思わせる日射し 初春を思い出させる夜の冷え込み 青く芽を出す道草 遠くに見える山の雪 モノクローム…

出かけます

8日間ほど出かけます。 その間は更新できません。

別れの前夜

全ての関係を断つのが死であるなら 人との別れもまた 死の一つ もう終わる 憎しみ合って いがみ合った末の ケンカ別れなら すっきりしたのかもしれない しかし 人にはいろんな面がある 死んだ人を思い出せば 良い思い出が浮かんでくるように さんざん苦しめ…

沈黙

何も言わない 何もしない それだけで 緊張は高まり 空気が張りつめる 静寂が長ければ長いほど 後に起こる嵐は 激しくなる予感がして もう容易には 話せない 動けない 一つの言葉 一つの動作に 周到な意味があるのではないかと 疑念は高まり ますます場が煮詰…

出湯

湯が湧く ただ 湯が湧く 人の 笑いも涙も 悩みも苦しみも 関係なく 湯は湧く 止むこと無く 湧いて 人を温め 流れてゆく 湧いて 人の喜怒哀楽を溶かして 流れてゆく 流れる湯を前に 人の一生は短く 小さくて 湯に浸かって 出て 浸かって 出ても 湯は変わらな…

初夏の過去と今

花が散って 若い季節が終わり 葉が青く繁り 草のむせる匂いと 強い日差しの予感が 私の内面を 外へ引きずり出す 淡く繊細で 周囲に怯えていた日々は過ぎ 多少の傷などもろともせず 強く愚鈍に伸びていた ただ真直ぐに 陽に灼けた濃い色の エネルギーの塊が …

ジェラシーは可愛らしい

自らを悩ませる 源をたどれば それは嫉妬だ 嫉妬が枝分かれ 羨望と 劣等感とになり 他者を 羨み 恨み 妬む いつも誰かを 苦々しく思い 比べて 否定願望を持ち 一人怒っている 何もないところから 怒りや苦しみを 勝手に生み出して ウンウン唸っている 本当は…

欲望の負荷

誰にも頼まれていないのに 山に登るように あてもない旅に出かけたり 用途のないものを集めたり トレーニングのためのトレーニングをしたりする 望んでもいない苦しみを 自ら引き受ける もっと速く もっと遠く もっと強く もっと賢く もっと便利に もっとた…

桜散る下の息吹

病み上がり 久々に出た外の大気は 暖かくやわらかく しかし未だ 冬の名残りの清涼さを保っていた 公園の桜の下では ツバの大きい帽子をかぶった女性が ベビーカーをひいている 一陣の風が 桜の花びらを散らす 華奢なお母さんと 生まれたばかりの赤ちゃんに …

あたたかさ

ストーブの前で 毛布にくるまれて こたつに入って あたたかいという感覚は やわらかさと やさしさと 適度な距離を内包する 遠ければ寒い 近ければ火傷する 付かず離れず 押し付けず 刺激を与えず 緊張をときほぐし いたわり 癒やす あたたかさが もし人だっ…

二元の果て

朝に陽が昇って 夕に沈み 春が来て 夏が来て 秋が来て 冬が来て 草が芽吹いて 葉が落ち ツバメが巣を作って やがて巣立ち 人が生まれて 人が死んで 一日も 一年も 一生も 同じことを繰り返し 世界はルーティンで まわっていると思える それなのに 人の一生は…

言葉の刃

強い言葉を吐きたい 人の心に 深く 奥まで 刺さる 言葉を吐きたい 研ぎ澄ませば 切れ味は鋭いが 薄くもろく すぐ欠けてしまう 大きくすれば 分厚くて すんなりとは 中に入っていかない 磨かれ 重みがあり 浸透力をもつ 言葉 美しい技芸と 言葉を裏打ちする経…

入浴そして危機

42度の湯に5分10分浸かるだけで 激しい動悸に見舞われる 頭の中は真白で 湯気の中に溶けそうで 何も考えられない 入浴という日常が たちどころに 生命の危機へ直結する 風呂に入らなくたって ただ息を一分ほど止めるだけで 苦しくて 今生きることに 必死にな…

灌仏会

ゴウタマ・シッダールダの生れた日 仏教を信奉しているわけではないが 生まれて死んで 生まれて死んで 最後に 世界から消えて無くなることが望みだと どうしたら思えるのだろう 生きることから逃れたいと願うほど 釈迦は苦しい世界を生きたのだろうか 友だち…

嘔吐

胃が弱いため よく吐く 食べ過ぎた夜 胃が重く 苦しく 不快で 蒲団で悶々とする 吐くのは苦しい 吐かないで済むに越したことはない だが吐いてしまえば楽になる 吐きに行こうか行くまいか トイレまでの道程が 普段よりずっと遠く 逡巡するうちに 吐き気は強…

あてのない散歩

目的のない散歩は あるようでないものだ 時間を決め 距離や目指す場所を決めて 歩く 歩き始めた時に 目的を持っていないとしても 過程のなかで 意味を見つけ 終焉への準備をして 歩いている 同様に人生においても 人は目的を探す 目的から解放されたいと思い…

自虐の快楽

年に何度か 自棄になる 明日などどうにでもなれと 物を買い込む 暴食する 記憶をなくすまで呑む 積み重ねた日常を 一度に崩し倒し 台無しにする これが止められない 何一つ得にならないのに ダメになるのが分かりきっているのに 自虐的な欲望の発露は 自分を…

逆張り人形

夢想する自分が肥大し 現実の自分が矮小し 美しいものを求めて 小さなキズに拘泥し 人の輝きに近づいて 影ばかり気にかけ 自身は影に身を隠して 光を求めている 逆に逆に 裏に裏に 回って回って 操り人形のように 踊り踊らされ 自分らしくいきたいと 人とつ…

駅前の踏切

踏切のある街は めっきり少なくなり 電車は地下や高架を走る 便利になったものだ 学校へ職場へ 映画館へ もう間に合わないと 遮断機が上がるのを待っていた 警報機のカンカンと鳴る音に いつも焦燥と緊張を思い出す 電車が通過した途端 警報機が鳴り止み 遮…

汽車の夢

今日も汽車は走り 私は駅から地の果てまでの 旅に出られる かつて詩人は あいるらんどへ汽車で行こうと書き ふらんすがあまりに遠く 汽車で山道をゆくと書いた 乗らなくたっていい 片田舎の駅から 毎日いつだって 知らない街に 出て行ける 日常から飛び立ち …

余白

余白を以て成り立つのは 書物だけではない カンバスに ほとんど描き込みのない 子供の人生 親や周りの人々が 様々な画を空想し 期待し 嫉妬し 時には当人に断りもなく 勝手に筆を入れようとする その子の カンバスの大きさも 持てる画材も 生まれ持って違う…