別れの前夜

全ての関係を断つのが死であるなら
人との別れもまた
死の一つ

もう終わる
憎しみ合って
いがみ合った末の
ケンカ別れなら
すっきりしたのかもしれない

しかし
人にはいろんな面がある

死んだ人を思い出せば
良い思い出が浮かんでくるように

さんざん苦しめられ
もう二度と会いたくないと思った

その人でさえ
別れようとする今になって
良さばかり思い出され
胸が締めつけられる

それは仕方がない

別れが一つの死なら
散り散りになるのなら
辛くないんなんて嘘だ

辛さを噛みしめて
別れていく

逡巡を重ねても
明日の陽が
昇って欲しくないと思うほど
決意は揺らぐ

でも決めたのだ
私は私の道を歩く

明日昇るはずの陽は
翌日も昇り
私の道を照らしてくれると願いながら