2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

変化

変わらないでいるのは尊いか 変わらなければならないか 年を経るほど 変化は億劫で 変わらないまま いつまでも 過ごしたいと願うようになる それは 命までも 不変であったならという願いに仮託して 若ければ 変わらぬことは停滞で 後退と同義ですらあり 変化…

本当は違うのに

願い求めて 付き合ったはずなのに ほどほどの距離感を 模索し 要求には 無理せず 苦しまず 余裕を持ちながら応える それが長続きのためだと 思っていたのに 全力を出さねば いけなかったようだ こちらのペースと あちらのペース 噛み合わぬまま 離れてゆく …

犯罪の表現

テロリストが作った映画なんて いくらでもあったじゃないか 今よりも はるかに刺激に満ちて 政治に物申す 多くの映画を 我々は観てきたではないか 大したこともない 一つの主張を 押し潰しても 気に食わないからと 排除しているだけだ それ以上の理由も 必然…

国葬の日

大物が死んだ 現代の日本で 銃によって殺された 国葬は 政争の具となった 与党の政治利用 野党の政局化 与党内の権力争い これを機に 隙を伺う 国葬は適切だったのか 彼を国葬にしないならば どんな人物が国葬に値するのか 考える契機となるはずも 考えない…

行使する覚悟

力があれば 権力があれば 気に食わないあいつを 滅茶苦茶にできるのだろうか 小さな局面で 己の権能を振るい 優越感に浸ったり 得意気になることはあれど 相手の人生を左右するほどに 誰かを破滅させる 度胸などあるのだろうか 蹂躙し 駆逐し 絶命せしめる …

無聊を慰める

退屈は 平和であり 地獄である 誰もが求め 誰もが恐れる 小説を読み 無聊を慰める 懸命な作品に 心打たれるほどの出会いは 滅多になく 多くの駄作 模倣 機械的な量産作に 時を費やし もはや期待を失い それでも惰性で読む 読まなければ 恐ろしいから 読む 読…

愚考の秋

自分が作った世界に生きるなら 全て思いどおりになるだろうか なんの不自由もなく 誰もが敵愾心なく 自分を信じ 常に友愛の情をもち 困難はなく 暇つぶしを探しながら 食べたい物を食べ 飲みたい物を飲み 行きたい所へ行き 好きな娯楽に興じ 時には 権力を振…

体の声

つらいならつらいと 痛いなら痛いと発して 四肢に異常が宿り 治癒に至るまで 不安に苛まれる しかし 怖いのは 体の声が聞こえないこと 痛くもない 苦しくもない なのに 突然 体が動かなくなる 感知できない不安 感覚が信用できない 感覚が浮遊している 異常…

読むことの対価

何週間もかけて 読み終えた大作 語る言葉がなければ 一言二言で 感想は終わる 読む力 語る力 二つが合わさり 読んで語る 語ることで 読みは深まり 世界は広がり 再び読みたくなる 読むだけでは完結しない 読み込んだなら それに足る読みからの学びを 発信せ…

動く体動かぬ体

動かして 初めて 動かぬ我が身を知る 老いが迫り 怠惰が体を蝕む いづれ停止する予定の 体よ 動け 動け 動かぬまでも 動く意思よ 伝われ

神話

過ぎ去った世界が 今に至るまで 言葉を紡ぎ 意味を作る 世界の成り立ちと ここに我々のいる理由 神を語り その崇高さと愚かさが 我らの身に降りるように 今を創るための空想 壮大で 想像の果てに挑んだ創造 神を作り 神を知り 下僕が安堵する

真摯に怠惰

出鱈目に飲んで しこたま酔っ払って 記憶も 健康も 取り戻せなくなって 堕ちるところまで 堕ちたなら これ以上堕ちない安堵があり 安心し続けるために いつまでも酔って だらしなくしていなければならない 真摯に怠惰でなければならない

登る意味

階段を登れば 何が見える 徒労かもしれない 一段一段を なぜ登るのだ 理由なら いくらでも探せるだろう 人生に言い訳が必要なように 一つの行いにも 何か意味が欲しいと思うだろう しかし 意味は作り出しているだけ 因果は 結びつけているだけ 理由は必然で…

蠱毒の言葉

どこかの組織に入り 働き始めてみれば 人権など どこ吹く風 えげつない搾取と 大っぴらな差別 そんな現実を目の前にすると 薄汚く 汚泥に塗れた 何も考えない機械となる 世間の言葉など 薄っぺらい綺麗事に聞こえ 正しい理屈も 権利も思想も 意味を持たない …

広いこと

空と大地の広さに圧倒され 何もない世界に 救われる

出かけます

10日ほど出かけます

旅立つこと

何度も夢見て 望んだ地へ 今旅立つ 不安などない たどり着く風景に 心躍らせ 未だ見ぬ世界へ 飛び込む期待が 横たわる体を興奮へ導く 未知が 欲望の対象であることの幸せよ 旅立つ寸前の今 世界は薔薇色にしか見えぬのだ

同じ思い

類型化された感情に 今日も振り回される ありきたりでありながら 切実な思い 誰にも どこにでもある なんということもない感情 苛まれ 悩み尽くし 終わってみれば 馬鹿馬鹿しいとすら思える 多様でありながら おそろく画一的なヒト 単一であるつまらなさと …

大きなものの終わり

手放すことで 前に進むなどない 前に進むものが見つかってから 捨てるのだ 別れても 新しい出会いなど すぐには見つからない 見つけておいて 別れる 斯様に まずは手にしなければ駄目だ 今のままだと駄目だからと言って 捨てるところから始めてはいけない そ…

死までの時

今が人生で一番若い時だなんて 老いていく恐怖を煽り 限られた時間を意識させ 追い込んだって仕方ないだろう 何事かを成さねばならぬという 強迫観念 充実した結果を 生きているうちに手にしたいという欲 好きならば 好きにやってくれ 何事も成さず 淡々と死…

盛期終わる頃

しとしと降る雨の 土の匂い立つ 夏草茂る野に 虫の音交じる晩夏 生暖かい朝の空気の中 ほのかに 忍び寄る秋の気配 離れゆく夏 盛期終わる頃 また人が死ぬ