愚考の秋

自分が作った世界に生きるなら

全て思いどおりになるだろうか

 

なんの不自由もなく

誰もが敵愾心なく

 

自分を信じ

常に友愛の情をもち

 

困難はなく

暇つぶしを探しながら

 

食べたい物を食べ

飲みたい物を飲み

行きたい所へ行き

 

好きな娯楽に興じ

時には

権力を振るって

人を言いなりにさせる

 

全てが己の手中

 

顔色を伺う態度に優越を感じ

不愉快になれば粛清する

 

わがままでいながら

尊敬され

 

人格者のポーズとりながら

独裁者として振る舞う

 

それは

ワガママな子供のようであっても

誰に求められない

 

かなしくも愚かな虚飾なのかもしれない

 

そう自分で気づいた時

 

自分の作った世界は色褪せ

絶望に突き落とされるかもしれない