体の声

つらいならつらいと

痛いなら痛いと発して

 

四肢に異常が宿り

治癒に至るまで

不安に苛まれる

 

しかし

怖いのは

 

体の声が聞こえないこと

 

痛くもない

苦しくもない

 

なのに

突然

体が動かなくなる

 

感知できない不安

 

感覚が信用できない

感覚が浮遊している

 

異常の正体が見えず

どこにいるか分からない

 

唖の身体に囚われ

それでも歩かねばならない

 

不安はどこにもあれど

体が自分から遊離したならば

 

欠けた歯車に

機関が壊される恐怖が

 

常に同居する