朽ちゆく体

四肢の痺れは

いつからか

 

耳鳴りが高まり

頭が痛い

 

眠れぬ夜明け前

 

体のうなりに

来し方を思えば

 

衰え

壊れゆく

生涯がもの哀しい

 

何も起こらず

何も起こさず

 

ただ老いだけが

追いかけてくる

 

思うようにならぬ己に

構わねばならぬ未来

 

そして

死出の旅路

 

別れねばならぬ

手放さねばならぬ

 

全てと決別しなければならぬ

 

友とも

家族とも

自分とも

記憶とも

 

確実にやってくる

その時を憂えば

 

薄暮はうつろに

朝はせつなく

 

戸惑いとともに

訪れる