2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

自分を守る

わがまま 身勝手 狡猾 卑劣 人は自分に甘い 意識せずとも我を通そうとするし いざとなったら人を裏切る 自分のために生きる 自己保存の延長 食べ物が無くなれば奪い合う 自分が生きるために人を殺す それをオブラートに包んで 我が身可愛さを直截に表さず 我…

誰にでも傷がある 痛く 痒く ときに疼いて 過去を思い出させる 大概の傷は 放っておけば治る 治ってしまう だがもとに戻らない傷もある 指をなくし 腕をなくし 歯が欠け 目が潰れる そうなったら 治ることを願うのは辛い もとに戻らないことを当たり前にしな…

滞り一直線

外では 風が吹き 雲が飛び 星が周り 水が流れている 淀んだ水は濁っている 肉体は老いさらばえ 精神は腐りきった 動け 回せ 流せ 死へ向かって走れ 陽が昇り 陽が沈み 草木が伸び 草木が枯れ 巣から蜂がいなくなり 都市が廃墟となる 立ち向かっても 逃げても…

愛憎ひとつ

自分が手に入らなかったもの 自分が手に入れなかったこと 自分が近寄れなかったもの 自分が遠ざけたことを 相手が持っているとき それと自己愛が混ざり合って 憎しみが生まれる 手に入らなかったもの 近寄れなかったものを相手が持っていたら 好意や憧れが嫉…

酒幻のごとく

酒の失敗は多い それでも酒を飲んできて良かった 酔って 鬱屈や不快が消え 体が軽く 気分が浮き 笑い 話し 最後に泣く すべては仮初だ 酒が見せた幻だ 何も変わりはしない いいや 失敗の現実が残る 酒は現実を削る 意欲をうしない 健康をそこない 人生の時間…

懸命の道徳

仕事でも文章でも 一生懸命さに心打たれる 余力を残した ほどほどの作品には おざなりな空気がまとわりついている 自分にできるだろうか 失敗しないだろうか 仕上げられるか分からない そんな不安や葛藤や焦燥を抱えながら どこまでしんどい思いをしても 投…

紙の重力

白いページと黒いインク そこに調和が生まれるという詩があった 紙が描く模様は美しい だけど平面に行き詰まる 上から押さえつけられて 書きつけられて 焼きつけられる その重さがしっくりくることもあるし 重力が私を安心させることもある 大地に寝そべって…

高校三年生

就職はできますか 高校三年生が占い師にたずねている 結婚はできますか 病気はしませんか 僕の将来は安泰ですか 自分では分からないのだもの 太陽が昇って沈むのと 私が死ぬことの確実さにくらべれば 人生ははるかに不安定で こころもとない 安定を望んで手…

夢そして夢

夢を持つか持たないか 大きや夢や小さな夢 晴れやかな希望に満ちた夢 夢の跡に転がる屍 自分が思い、描いていた夢は あるときから幻想だったと気づく 気づいて、なお、どう生きるか 夢を夢としていだき続けるか 幻想と分かってもしがみつくか 夢をえがいてい…

光と影

光あれ と言葉を発してから 光と影が生れ 陽と陰が別れ 男と女が生れ 勝と負がつき その変奏の果てに 生と死がある 人生にも光と影があって 起伏のなか 陽のあたる場所を歩むこともあれば 底に沈んで影にかくれるときもある あなたの気持ちが沈んでいるなら …

まわれ涙よ

花びらの先から垂れた雫は 地に落ちる 終わってしまったと思ってはいけない かなしい気分になんかならなくていい 宇宙から降り注いた光と雨と大気と すべてが集まって 花びらに雫がひとつ生れたのだ それが転がって 地に染み込んで 足元を巡り巡って 僕らを…

美しい言葉

世界を 精神を 切り取れば 美しい言葉があらわれるのだろうか 美しいものと美しくないものがあって それを切り分けられるのだろうか 磨いたガラスはきれいになる 磨いた言葉もきれいになるだろう きれいなものはよごせない よごせないものには近づかない 近…

詩をかきます

詩をかきます。 一日に一つづつ。 言葉をつなげるために書きます。