懸命の道徳

仕事でも文章でも
一生懸命さに心打たれる

余力を残した
ほどほどの作品には
おざなりな空気がまとわりついている

自分にできるだろうか
失敗しないだろうか
仕上げられるか分からない

そんな不安や葛藤や焦燥を抱えながら
どこまでしんどい思いをしても
投げ出さず
食らいついて
最後まで粘って
形にしたのなら
それは一生懸命である

人生が辛く苦しくて
生きるのがしんどくて
悩みに悩んでいるとしても

投げ出さなければ
それは一生懸命である

人から怠惰と思われ
睥睨され
馬鹿にされることに
苦しむ必要はない

自分の苦しみは自分で分かっていればいい
のたうち回っても
逃げ回っても
自分を守るために一生懸命であれ

一生懸命であれば
それは心を打つ