あてのない散歩

目的のない散歩は
あるようでないものだ

時間を決め
距離や目指す場所を決めて
歩く

歩き始めた時に
目的を持っていないとしても
過程のなかで
意味を見つけ
終焉への準備をして
歩いている

同様に人生においても
人は目的を探す

目的から解放されたいと思い
同時に
目的のない行為が耐えられない

やらなければならないことに縛られた人生は
窮屈だ
やることの見つけらない人生は
虚無感に満たされる

それが嫌で
自分が生きている意味が欲しくて
目的を探すのだ

人生に初めから目的なんかない
人の一生は虫や動物と同じはずだが
同じでは嫌なのが人というものだ

仕事
家族
財産
権力

これだけは守りたい
このために人生を捧げたいと思って
生きられるならいいじゃないか

どんな人だって虚無の闇と隣り合わせだ
我々は絶対など無いことを知ってしまった
目的があると思っても
それはあてのない散歩
だが嘆いてばかりじゃ哀しいだけだ

無知の知を分かっていると
したり顔をするより

知りたいと足掻かなければ
知識は増えない

それが結局は無知でしかないとしても