風呂屋の爺

小さな不快こそ

精神の健康を保つ秘訣である

 

嫌いな人間と同席したり

気に食わぬ人間と仕事する

 

少々の嫉妬ややっかみ

ネガティブな感情を持ち

不快を局所に集めてしまえば

 

残りの全ては

さして悩みなく過ごせる

 

私にとっては

毎日の銭湯で

 

浴槽の縁に居座り

唾を吐き続け

汗だくのまま

水風呂に飛び込んで

頭を掻きむしり

蛇口に口をつけて

浴槽の中でうがいする爺こそ

 

その対象である