死の支配

自らの命が

尽きる瞬間の夢

 

悪夢であり

恐怖であり

 

而して必ず訪れる

現実の先駆けである

 

避けられないが故に

想像も膨らみ

 

死は

私のクライマックスとして

私の精神を支配し

人生を凌駕する

 

なるようにしかならぬと

どれほど覚悟を決めようと

 

命尽きる事実から

逃れることは出来ず

 

死に向かいゆく生は

死ぬ前の存在証明として

意味づけられ

 

何かを残す

何かをやり遂げるなどと

思わされるのも

 

死に対する

逆説としての

 

生の軌跡でしかない

 

つまりは

ゆっくりと落ちてくる吊り天井や

酸素が薄くなる密室に閉じ込められるのと同様

 

死に脅され

 

残された時間をどう生きるか

急かされているだけだ

 

この死の支配が

沈鬱にのしかかってくるのだ