震災はいつもある

理不尽な死に対して何ができるか


備えても完璧にはならない
我々の周囲には
常に理不尽な死がある

交通ルールを守っていても
突っ込んでくる車はある
道を歩いていたって
頭上から物が落ちてくるかもしれない

通り魔だって
突然死だって
死ぬことを考えたらきりがない

理不尽な死を前にしたら
悼むしかない
東日本大震災で多くの人が亡くなって
知人も亡くなって
悲しいと思った

今思う
メディアに取り上げられる死と
人知れず死んでいくのと
死の扱いがずいぶん違う

震災は理不尽な死で
大往生とは言い難い

哀しいことに
人は死ぬという点で平等だけれど
死に方は同じではない

震災に遭って
私が変わったとすれば

身近に転がっている理不尽な死を
人知れず孤独に死んでゆく者を
目を離さず
一つの死として見つめることだ

生き残ったのなら
命が尽きるまで生きるしかない
その当たり前と死とを抱えて
生きるだけだ