堕落の涙の気持ちよさ

自分の不甲斐なさを

時代や環境のせいにして

気持ちよかった

 

憤懣やる方なく

日頃の鬱屈を

他者のせいにして

 

己の不遇を嘆く気持ちよさよ

 

俺は不幸だ

俺は恵まれない

 

俺が俺を呪うほど

己に酔い

涙を流し

 

気持ちよくなれるのだ

 

なんて簡単で

手軽なストレス発散だろう

 

自分を不幸に落とし込み

本気で嘆き悲しめば

 

ボロボロと涙が流れてくる

 

その涙さえ

俺は俺の

怠惰の正当化の道具としている

 

積み重ねた努力を

水泡に帰し

 

快楽に溺れたダメな自分

 

そいつを見つめながら

流す涙は

たまらなく気持ちが良いのだ