孤毒を吐く

停滞からの
なだらかな下降

避けられない現実

惰性のままの沈滞
停滞のままの鬱屈

独り
世に生まれ
放り出され

世界を
己の価値観で囲って
箱庭を作り

小さな世界の王として
いつまでも
君臨し

過ちを認めず
異を遮り

ここまで来て
貧弱な己と
独りの寂寥に気づき

而して
もう遅いと気づき

箱庭の世界の価値観は
大きく歪んで

元に戻すなんて
考えることもできやしない

己を呪うのが怖くて
世界を呪い
他者を呪い

怨みつらみの言葉に
溺れて生きる
悲しい人

恨めなくなれば
活力を失い
人生はもっと悲惨になり

恨む以外の
方法を知らず

ますます
怨みにしがみついて
生きなければならない

人は離れていき
その理由に気づかず

人をまた恨み
毒を吐いては
また人が離れる

恨みの底なし沼に
ハマった人生を送る人

悲しくて
哀しくて

私の中にも住む
笑えない人