自然の辞

自然の摂理は

実によく出来ている

 

暑い夏には

イカやトマト

きゅうりやなす

 

水分たっぷりの野菜や果物が

旬を迎え

我々の喉を潤し

 

お盆の午後には

雷と激しい雨が

ざっと降って

 

夕食の発汗を

いかばかりか

和らげてくれる

 

などと

自然を礼賛するのは

 

己の環境に

順応するための

 

自己保身の

現状肯定でしかなく

 

自然は

人など顧みず

 

人だけが

どうのこうの

 

美しいだの

偉大だの

 

講釈をたれて

悦に入っている

 

自然から

良いとこだけを

取り出して

 

褒めそやしていれば

美しく見えるだろうし

 

災害ばかり

気を留めて

 

地震や大雨を怖がっているなら

自然は恐ろしいだろう

 

現状を肯定するのは

怠惰であり

停滞に甘んじることでしかなく

 

現状を否定していては

生きるのが辛くなる

 

その先に出るのは

今のところ

面倒くさい