閉じてゆく年

今年も
野球が終わって

酉の市が立てば

あっという間に
歳末の気配

毎年
何事かあり

日常は
さざ波を立てながら
うつろう

ホロホロと
崩れる砂上の家

シワが増え
目がしぼみ

弱る体

弱れば
弱るほど

一日が大切になって
平穏に安堵し

暮れる年に
しみじみと
感慨を抱く

何事もないのが
有難いという

人生のコクと渋味