命の使い途

生まれてから

ひたすら求められたのは

 

学校に行って

勉強して

 

上の学校に行って

勉強して

 

就職活動に仕事

 

つまるところ

世界は有意義で

意味があり

生産的だという

 

刷り込みにつぐ

刷り込みであった

 

お前には世界が必要だ

世の中の役に立て

 

そんなことを求めるくせに

世界は私もあなたも必要としていない

 

世界に意味などなく

意味を作り出したい人がいるだけ

 

人生とは

生まれ落ちた空虚を

ひたすら埋める作業である

 

命という一つの機関を手にして

使い途を吟味し

 

片っ端から浪費される時に

対峙しなければならない

 

放り出したって

投げ捨てたっていい

 

命を大事に!! なんてお為ごかしは

世の中を回したい人間の

保身からでた他人事

 

ただでもらった命

いくら親にはかけがえがなかろうが

無理やり押し付けられた命は

 

保持するだけでも

重たすぎる

 

生きている限り

持っていなくちゃいけなくて

 

取り替えもできなければ

銀行に預けることも出来やしない

 

毎日飯食って

糞して寝て起きて

 

飯食うために

金稼いで

 

疲れ切って

何も考えられなくなって

 

それだけで精一杯

屠殺されない牛や豚のようなもの

 

それだけでも

やるせないのに

 

さらに

意味とか役目とか

 

さらに再び

命を大事に!!(毎日飯食って糞しろ!)とか

 

同じような

何の意味もない

 

世の中にとっての価値を

何層にも上塗りし

 

空白から目を逸らそうとしている

 

だが

現実は無意味で

即物的な事実の羅列によってしか

語れないのだ

 

命とは

動いている心臓

 

命とは

限りある時そのもの

 

誰もケツを拭いてくれない

己だけの持ち物

 

使い途などありはしない

なぜなら

心臓の鼓動

それ以外何もないのだから