心優しき水辺のほとり

生暖かい風は止んだ

水辺には波も立たない

 

花筏の水面も

蜻蛉飛ぶ夏も

枯葉散る夕辺も

凍りつく冬も

 

過ぎ去った

 

今は

静寂の中

 

穏やかな孤独に

心休まる

 

振り返る日々は

ときに懐かしく

ときに劇的

 

繰り返し

過去を味わい

 

水面を見つめ

時を送る

 

もう何もない

 

何もないことに

満たされる日々が来るなど

思ってもみなかった

 

空白が心地よく

孤身は気兼ねない

 

変化のない今に頼りきり

喜怒哀楽にも乱されない

 

止水

平寧

 

終わりの前の

小幸