2020-07-18 泣き濡れる女 #詩 詩 夜明けの4時過ぎ 雨の中 若い女が 号泣していた 叫びとも 怒号ともつかない 甲高い声が 誰もいない 街に響いていた 壁に体をもたれかけ 頭を下げ 前に垂れた髪で 顔は見えなかった 雨が 彼女の 頭や肩に 弾けていた 弾けて 細かく割れて 彼女の周りだけ 雨が濃いような 気がするのだ 泣いて 雨に打たれて 不幸と悲しみを 一身に背負ったように 女は泣いて 街は止まって いるのだった