泣き濡れる女

夜明けの4時過ぎ

雨の中

 

若い女

号泣していた

 

叫びとも

怒号ともつかない

 

甲高い声が

誰もいない

街に響いていた

 

壁に体をもたれかけ

頭を下げ

前に垂れた髪で

顔は見えなかった

 

雨が

彼女の

頭や肩に

弾けていた

 

弾けて

細かく割れて

 

彼女の周りだけ

雨が濃いような

気がするのだ

 

泣いて

雨に打たれて

 

不幸と悲しみを

一身に背負ったように

女は泣いて

 

街は止まって

いるのだった