稲妻を床に見て

網膜のように
空に光の筋走り

そこかしこに
雷鳴とどろく

大気は湿気に満ち
雨の匂い拡がり
降り出すのは
もうすぐ

また一つ
向こうに雷が落ちた

荒れ狂う夜空

稲妻はとどまるところ知らず
ピカピカと

歓楽街のネオンと見紛うばかりに
次から次へと走り

止まぬ鳴動に
興奮と緊張
不安と恐怖が
頭をもたげる

すぐにやってくる
滝のような豪雨の予感

落ち着かない世界に
揺さぶられ

床につく
夏の跡の夜