座標のない所

心労極まり

疲れ果てた後

 

何もない時間が訪れた

 

山も谷もない

時が流れていることにさえ

気づかない

 

真っ白で

のっぺりとした道

 

疲れも

興奮も

どこかへ行き

 

己の状態も

何者であるかも

 

一切

分からない

 

座標のない

箱の中に入ってしまった

 

善悪も

好悪も

奪われてしまった

 

何をするべきか

何をしたいのか

一向に明らかにならず

 

方角も

未来も

見えなくて

 

すべてが

暖簾に腕押し

 

呆けるに任せて

とどまり続けられるかさえ

定かではない

 

苦しみがないのではない

 

苦しみの焦点が合わない

喜怒哀楽の尺度が消えてしまっても

 

未だ生きている

歯痒さ