視界のかなたまで
緑の曲線
ゆるやかに上り
長く続く
いつまでも
坂を歩く
大して疲れもせず
飽きてもいない
一歩また一歩
確実に進む
だが進めば進むだけ
それなりに疲れ
坂のなだらかさに慣れれば
退屈もある
このままでは
つまらないと
予感する
ならば
次の風景
変移の機会に備えるしかない
ここで退屈を削り
坂を登るたび
力を蓄え
一気に駆け降りるときを
想って
目の前の風景に
うんざりしながら
小さな小石に
躓きながら
先ばかり見て
退屈という名の灰色を
今の光景に
貼り付けて
何も見ず
明るいことだけ言って
破滅へ向かい
勝負時を先延ばしにしながら
このまま
何もせずに
死んでゆくのでしょう
