死は転がっている

現実を見れば見るほどに

茶番劇が想起される

 

ここではないどこかで

人が死ぬ

災害が起こる

 

どこだろうが

それはいつだって

選ばれた事件

 

世界のどこにでも

語られない不幸は転がっている

 

それを差し置いて

テレビの不幸に共感せよと

求められても

 

しらけるだけ

 

不幸は

いつだって

どこにだって

転がっている

 

死だって

病だって

 

可視化されないほうが

多い

 

コロナより前

 

ただの風邪を追っかけて

何人死んだか

変異したか

 

毎日毎日報道していたら

風邪の恐ろしさに

 

人々は

出歩かなくなっただろう