山の上の廃墟

伽藍には

誰も居ない

 

月明かりが

回廊に影を長く落とす

 

山の上の廃墟

栄華極めし過去を

 

今は誰も振り返らない

 

ここに

欲望が花咲き

権謀が乱れ飛び

 

多くの死が訪れた

 

力と欲

憎しみと嫉妬

 

上昇志向の

人々が集まるエネルギーが弾け

 

文化となり

栄華となり

戦争となり

 

ここに廃墟がある

 

この朽ち果てた廊下も石垣も

素晴らしい時を味わっていた