ふんわりとした酒

酒が旨く

肴が旨く

気持ちがいい

 

だが

取り立てて贅沢をするわけでなく

 

特別な物を

食べているわけでもない

 

いつもと同じ

酒と肴と店

 

何百回か通って

不思議と

しっくり馴染む時

 

何も思わず

旨いとも言わず

 

淡々と

食べ飲むだけ

 

心のうちは

快楽に襲われている

 

悩みなく

苦しみなく

 

考えなく

 

過去も未来も

気にせず

 

酒を向き合う

 

ただそれだけが

なかなか出来ない