穏やかな島

あの角

あの影

あのほとりに

 

死が佇んでいた

 

至るところ

波の向こうにも

 

わたしたちを包み

寄り添っているのだった

 

それは

恐怖でも

忌避でもなく

 

生と隣合わせの

自然の摂理

 

おだやかで

ゆるぎない

安心を携えている

 

街に

墓に

木々の間に間に

 

歌は流れて

別れと死を歌い

 

心は落ち着き

生命もまた

急がず

 

日々を送れるのだった