退廃の味

退廃を知り

限界の自分に酔い

堕ちる快楽を知ったのは

いつからだろう

 

成功と上昇と

広がる世界しか見えなかった時が

子どもに思え

 

枠の中で

身の程を知りすぎて

己に失望し

 

それでも生きる味が

酔って

自分を誤魔化すことでしかないことに

終着した

 

失望しては酔い

酔っては失望する

 

断念と絶望と

生の限界を

己で区切ろうと

今日も酔っている

 

始めなければ

何も始まらないのは

分かっているのに

 

退廃にくぐもる味が

たまらなく

魂を痺れさせる

 

ダメなのか

いや

ダメだろう

 

今日も己に問い

怠惰な解を己に課しては

 

澱んだ生を浪費する味を

無駄に啜るのだ