哀しい夢

遠く聞こえるチャルメラ
夜も更け
蒲団の中
哀愁が襲う

子供の時
午睡から目覚め
隣に眠る母と
薄明るく差し込む暖色の光線を見て

この世が滅亡してしまうのではないか
そう思ったことが幾度もあった

夢から醒めた
強烈な寂寥感
この哀しさが人生そのものではないかと
子供ながら思った

その認識は
間違っていなかった

夢を見て
夢に破れ
夢を忘れ

そんな自分を納得させていくのが
人生という作業である