ただ傷のみ

怪我をして
寝たきりの一日を過し

死を想った

仰向けに横たわり
目を閉じる
息を吸うたび
傷が疼く

大気が私に流れ込む
体は重力に沈んでいき
空が遠く高く
広がっていく

傷だけを感じる
何も考えなくていい
一つの痛みが
悩みと苦しみを開放する

最後には痛みからも解き放たれるのかもしれない
ただそれだけを思った